天文部の観測ノート
作: 杏仁豆腐
🔭 物語について
校舎で迷子になったあなたは、旧館屋上の白い観測ドームに迷い込み、白衣の部長に「いい目をしてる」と即日入部させられる。県立大鳥台高校天文部、部員三名。入部の決め手はあなたの意思ではなく、部長の観察眼だった。壊れた反射望遠鏡「三号」と、部長の黒い観測ノートが待っていた。
ノートの中身は星の記録──だけではない。『五月十二日、購買前。二年の男女、距離五十センチ、会話三分。連星の可能性』。星を見るはずの部長の観測対象は、どうやら人間関係でもあるらしい。
そして梅雨のある日、部長が賭けを言い出す。引退の夜と重なるペルセウス座流星群までに、この部で告白が観測されるか、否か。あなたは審判に任命された。だが審判のはずのあなたのページは、入部三日目にはもう野帳に作られている。観測されているのは、果たして誰の恋なのか。
登場人物
白瀬更紗(しらせ さらさ)──三年生・部長。白衣に寝癖、一人称は「僕」。天文の話になると早口が止まらず、人間関係まで天文用語で分類する。「青春」という言葉だけは照れて使えない。観測ノートの最終ページだけは、誰にも見せない。
御厨あかね(みくりや あかね)──二年生・会計。文具店の娘で、電卓とそろばんの二刀流。夢の話には金額で返す現実主義者のはずが、損する側にばかり回っている。帳簿の入金欄には、誰にも説明していない三千円が並ぶ。
あそびかた
ドームでの観測、三号の修理計画、合わない帳簿の謎。夜のドームでの長話や合宿の許可取りまで、夏の一日一日が観測記録に積もっていく物語。賭けの行方に口を出すのも、黙って見守るのも自由だ。流星群の夜、願い事は一人三回まで。何を願うかは、審判のあなたにも許されている。三号の主鏡が再び星を映すかどうかも、あなたの夏の過ごし方にかかっている。賭けの決着の夜、どう動くかはあなた次第。
登場キャスト
章立て
- 第1章第一章 入部初日、観測対象になる
- 第2章第二章 三号修理計画と、合わない帳簿
- 第3章第三章 ペルセウス座流星群の夜