披露宴、開演三十分前
作: 杏仁豆腐
#ロマンス#仕事#現代
開演まで、あと三十分。
それだけあれば、式はまだ守れる。
舞台: 現代日本・丘の上の結婚式場「リヴェールの丘」|制限時間つき日常の謎ミステリー
💐 事件はいつも、三十分前に起きる
ゲストハウス式場リヴェールの丘には決まりがある。披露宴の開演三十分前、チーフプランナーが会場を隅から隅まで歩く「三十分前点検」。そして小さな事件は、なぜかいつもこの三十分に見つかる。リボン台から消えた指輪。届かないはずのない祝電。控室にいない花嫁。式は止めない、ゲストには悟らせない、持ち時間は三十分。真相はいつも誰かの善意や約束の行き違いで、悪人はひとりも出てこない。だからこそ、解き方をまちがえると誰かの一生に一度が欠けてしまう。
あなたは入社一年目の新人プランナー。チーフの半歩後ろで進行表を抱え、手がかりを拾って走る役だ。いや、この職場では走ってはいけないのだった。歩いて、笑顔で、時間内に。
登場人物
刀祢真緒(三十五歳) — チーフプランナー。通算四百組の式を守ってきた。口癖は「式は止めないわよ」。命令形なのに突き放した響きがなく、急ぐときほどゆっくり話す。本気になるとインカムを外して自分の足で歩き出す。
百枝要(二十七歳) — 音響・照明オペレーター。人の顔と名前は覚えないが、足音と声は忘れない。歩幅と声の張りで人の緊張を言い当てる、ブースから動けない名探偵の耳。持論は「音は嘘つかないんで」。
遊び方
章ごとに別の婚礼を担当する。手がかりは進行表、控室、受付の記録、そして音響ブースのリハ音源の中。発覚から開演までの三十分で、あなたが現場を歩き、推理を組み立てる。真緒は答えを知っていても、あなたが考えるまで口にしない。開演のブザーが鳴る前に、指輪と、誰も傷つけない筋書きを持って帰ろう。
登場キャスト
章立て
- 第1章開演三十分前、指輪がない
- 第2章読まれない祝電
- 第3章花嫁のいない控室