毒見役の姫君

作: 杏仁豆腐

#ミステリー#ファンタジー#冒険#料理
人質の姫は毒見役を志願した。兄を蝕む毒の出どころは、この王宮のどこかにある。
舞台:大国ヴァルグレンの王宮・大膳房|毒と料理の宮廷サスペンス

📖 あらすじ

あなたは山あいの小国ミルテ公国の公女。和平の証という名の人質として、兄である世子ユリアンと共に大国ヴァルグレンの王宮で暮らしています。その兄が二月前から、誰にも診立てのつかない病でやせ細っていきます。故郷では誰よりよく食べ、誰より速く馬を駆った兄なのに、です。宮廷の侍医団は「水が合わぬ病」と診立てましたが、あなたは信じていません。

爪に浮いた白い横線と、金気を帯びていく味覚。薬草の谷で育ったあなたは確信します。これは病ではなく毒だと。そして宮廷を騒然とさせる一手に出ました。わが国では王族の膳は血族が検める習わし、と言い放ち、毒見役を志願して王宮の台所大膳房に潜り込んだのです。調印式までは残り三月しかありません。毒の糸を手繰れなければ、兄の命も故郷の和平も失われます。そして先代の毒見役が三月前に死んでいることを、あなたはまだ知りません。

👥 登場人物

大膳房を仕切る料理長ダリオ・ベッカは、毒の話を厨房に持ち込んだあなたを怒鳴りつける頑固者です。ですがその怒りの奥には、彼自身の苦い記憶が沈んでいます。若き侍医ノエル・ガランドは毒に詳しすぎて「毒の医者」と陰口される変わり者で、あなたの疑いを唯一、笑わずに聞いてくれる人物です。怒鳴り声と早口の講義に挟まれながら、この二人とだけは本当の話ができます。

🎭 この物語の遊び方

毒見の作法で膳を検め、厨房の人の流れを観察し、侍医と検死の記録を掘り返す。雷親父を味方に変え、犯人の焦りを誘い、調印式の膳で決着をつけましょう。毒見は一品につき三口、そのあと四半刻の観察。命がけの作法があなたの日常になります。厨房の湯気の中にも手掛かりは落ちています。誰をどこまで信じるのか、毒よりも先に心を許してしまうのか。その全部があなたの選択です。

登場キャスト

章立て

  1. 第1章毒見志願
  2. 第2章銀霜の尾
  3. 第3章調印式の膳
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