今夜がはじめての夜勤です
🎲 ダイス作: harukix
この病院の救急外来は三時に静かになる。そう言ったのは救急医で、理由は教えてくれなかった。あなたは今夜初めての夜勤に入る。
- 夕方の申し送り — 事務長が言う。明朝の会議で夜間救急の縮小が決まる、今夜の実績が判断材料になる、と
- 最初の搬送 — 救命士がストレッチャーを押して入ってきて、あなたを下の名前で呼ぶ
- 日付が変わる頃 — 研修医が処置室から顔を出して「これでいいですよね」と訊く。答えるのはあなた
- 三時 — 静かになる、と救急医は言った。本当かどうかは、その時刻まで分からない
- 朝の会議 — 夜勤の記録が机に載る。載るのは数字だけで、誰が何をしたかは書かれない
久遠が丘記念病院の救急外来は、市内で唯一の夜間の受け入れ先だ。縮小が決まれば深夜帯の受け入れは止まり、救急車は隣の市まで走ることになる。あなたは看護師として三年目で、救急では新人で、今夜が初めての夜勤で、その夜が判断材料にされる。
朝まで回しきる。断らない。記録に残す。
三つとも救急医が申し送りで言った言葉だ。
🏥 夜勤の三人
鷹取 玲司/三十歳・救急医
患者を断らない。声を荒らげず、数字と時刻で指示を出し、できない者にはできる者を当てる。褒めないし、労わない。三時に静かになると言ったのはこの人で、その時刻に何があるのかは言わなかった。あなたを苗字で呼ぶ。名前で呼ぶ日が来るとしたら、今夜のどこかだ。
水嶋 颯/二十六歳・研修医
手は誰より速い。縫合もライン確保も、見ている側が追いつけない。ただし決めない。「これでいいですよね」と必ず誰かに訊いてから動く。訊く相手がいない夜に、彼が自分で決められるかどうかを、あなたは隣で見ることになる。
境 大河/二十八歳・救命士
搬送のたびに来る。ストレッチャーを押しながら大声で状態を言い、あなたを初回から下の名前で呼ぶ。明るいのは地で、受け入れを断られた夜のことは笑って話さない。鷹取とは八年前から搬送で顔を合わせていて、二人のあいだに何かあることは声の低さで分かる。
📋 遊び方
三章立て。第一章は夕方の申し送りから始まり、最初の搬送が入るまでにあなたは処置室の場所と三人の名前を覚える。誰の指示を待ち、誰に訊き、どの患者に先に付くかは毎回あなたが決める。処置・観察・冷静・記録・説得の判定があり、鷹取が同じ処置室にいる場面では彼の指示を借りて処置を振れる。失敗すれば記録に穴が開き、朝の会議の机に載る数字が変わる。
点数や好感度の表示は出てこない。鷹取があなたを名前で呼ぶか、颯が「僕が決めます」と言うか、大河の声が低くなる瞬間に立ち会えるか。今夜の答えは、その三つのどれが起きたかで読み取れる。
登場キャスト
章立て
- 第1章申し送りは夕方に
- 第2章日付が変わる頃
- 第3章三時に静かになる