二〇一号室の同居規約

作: harukix

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第二あさぎり荘二〇一号室 入居者各位
建物の老朽化に伴い、本年六月をもって取り壊しを行います。つきましては五月末日までに退去をお願いいたします。
長らくのご入居ありがとうございました。敷金は全額お返しします。冷蔵庫の貼り紙は持って行っても構いません。

差出人は大家の浅霧さん。三月の最初の朝に郵便受けに入っていたのを早番のこよりが見つけ、寝ていたまひろは昼に起きてから読んだ。壁の向こうの凛さんは読む前から知っていたらしい。


🏠 家賃二万円の三部屋

初音町の坂の途中に建つ木造二階建て。築四十五年、二階の二〇一号室は三部屋で、三人で割れば一人二万円になる。冷蔵庫には前の住人から引き継いだ「同居規約」が七か条貼ってある。風呂は二十二時まで、冷蔵庫の左棚は個人の物、締切と実習の週は当番免除、誰かの秘密は誰にも言わない。

あなたは大学四年で就活の面接が続いている。去年の春に先輩の紹介で入った三人目で、廊下側の四畳半が自分の部屋だ。退去まで三か月。同居人二人がそれぞれ、あなたにしか頼めないことを抱えている。

🚪 二〇一号室の二人と、壁の向こうの一人

柊まひろ/二十三歳・フリーのイラストレーター
夜型で、朝六時に寝て昼に起きる。締切を訊くと「余裕」としか答えないが、その週は風呂が二十二時を過ぎる。乙女ゲームの立ち絵を描いていて、男の手だけがどうしても描けないと編集に言われているらしい。あなたに頼みがあるが、こよりには聞かれたくないと言う。

柊まひろ

篠宮こより/二十一歳・看護学生
病棟実習の三年生で、朝六時に出て夕方に戻る。当番表を作り、冷蔵庫の仕切りを引き、規約を守る側の人。実家には女子寮に住んでいることになっていて、五月の連休に母親が来る。あなたに頼みがあるが、まひろには言わないでほしいと言う。

篠宮こより

佐伯凛/二十六歳・隣室の会社員
二〇二号室に一人で住む印刷会社の営業。壁が薄いので二〇一号室の会話を大体聞いていて、ベランダの仕切り越しに缶ビールを渡しながら感想を言ってくる。酒に強く、二人の頼みの中身を先に知っている気配がある。訊いても「壁、薄いよ」で終わる。

佐伯凛

📋 遊び方

三章立て。立ち退き通告が届いた三月の朝から始まる。あなたは毎日、朝のこよりと夜のまひろのどちらの時間に居合わせるか、ベランダで凛と何を話すかを決める。頼みは二つとも、規約の第七条「誰かの秘密は誰にも言わない」に引っかかる。

好感度の数字は出ない。代わりに、まひろが締切の日付を口にした夜と、こよりが方言を翌朝も認めた朝と、凛が仕切りを外して来た夜を覚えておくといい。三人の呼び方も、そのたびに一段ずつ変わる。

登場キャスト

章立て

  1. 第1章三月、通告の朝
  2. 第2章四月、二つの頼み
  3. 第3章五月、最後の規約
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