城下、茶屋「雀色」

作: 杏仁豆腐

#日常#江戸#お菓子
殿さまの菓子が、なぜか江戸で売られている。たそがれ時の茶屋に、騒動の客が集まってくる。
舞台:北国六万石の城下町|御留菓子を巡る和菓子人情譚

📖 あらすじ

あなたは戸倉藩六万石の城下、堀端の茶屋雀色の若主人。名物は餡をくるんだ小さな団子「雀の子」で、店がいちばん賑わうのは雀色時、つまり夕暮れ時です。かつてあなたは御菓子司白妙屋で修業した身です。親の茶屋を継いで二年、今も白妙屋の姉弟子・お直が何かと顔を出してくれますし、縁台には城勤めの噂話が毎晩のように落ちています。夕暮れの客あしらいの合間に、噂の欠片を拾い集めるのがあなたの日課です。

そのお直が血相を変えて駆け込んできました。藩主だけが客に振る舞える御留菓子峰の白とそっくりの菓子が、江戸の店で売られているというのです。製法は白妙屋の一子相伝、材料の寒晒し葛は藩外持ち出し御法度です。折しも白妙屋では当主が病に伏し、番頭が後継ぎ争いを煽っています。疑いの目は女だてらに腕を上げた姉弟子へ向かいました。一方、茶屋の常連である勘定方の若侍・早瀬多聞は、葛蔵の帳簿でこの三年、行き先の知れない二駄を追っていました。菓子と帳簿、二筋の糸が、たそがれの茶屋で結ばれます。

👥 登場人物

お直は白妙屋の職人頭格です。早口で負けん気で、口癖は「まず食べな」。あなたの姉弟子で、雀の子の餡はあたいが仕込んだと吹聴しています。早瀬多聞は勘定方の生真面目な若侍です。調べの一環と称して毎度きっちり団子を二皿注文します。帳簿は武士の刀に劣らぬ、が信条です。

🎭 この物語の遊び方

茶屋は城下の耳です。客の噂を拾い、姉弟子の疑いを晴らし、若侍の帳簿調べに知恵を貸しましょう。葛の目方、菓子の白さ、江戸への船便。手掛かりは湯呑みの向こうから運ばれてきます。修業した舌が覚えている白妙屋の白を、あなた自身の武器にしてもかまいません。雪見の茶会の日、殿さまの御前に出る白い菓子に、すべての決着がかかります。

登場キャスト

章立て

  1. 第1章たそがれの店
  2. 第2章白の濡れ衣
  3. 第3章雪見の茶会
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