ラジオネーム:目撃者

作: 杏仁豆腐

#ラジオ#ミステリー#夜

そのはがきの内容は、犯人しか知らないはずだった。

舞台:地方FM局の深夜番組×未解決ひき逃げ事件の追跡サスペンス

📻 真夜中の郵便箱

あなたは地方局FM真名瀬の深夜番組「真夜中の郵便箱」の構成作家。毎週金曜の生放送に向けて、投稿はがきを選別するのが仕事だ。ある夜、束の中に一枚のはがきを見つける。ラジオネームは目撃者。そこに書かれていたのは、三年前の未解決ひき逃げ事件について、警察が一度も公表していない事実だった。車は一度停まった。ドアが開いて、閉じて、走り去った。はがきは毎週届く。添えられたリクエスト曲は、事故のあった夜の放送の曲目を、一曲ずつ順番になぞっていく。差出人は誰か。なぜ警察ではなく、深夜ラジオに書くのか。放送で読めば動くものがあり、読まなければ守れるものがある。マイクの前の選択は、毎週金曜、あなたに委ねられる。局の二階では今夜も、選別を待つはがきの束が机に積まれている。

登場人物

  • 三廻部走(38):元漫才師のパーソナリティ。軽口で夜を回しながら、採用したはがきは必ず三回読み、放送が終わると誰より落ち込む。三年前の夜の曲目表だけは、七年間一度も開いたことがない。
  • 鵜飼塔子(41):地元紙の遊軍記者。事件を発生当時から追い続け、未公表事実を握る。情報は等価交換でしか出さない姉御肌で、被害者の母のもとへは今も盆暮れに線香を上げに行く。

遊び方

手がかりは紙の上と電波の中にある。消印の曜日、癖のある文字、リクエスト曲の並び、そして局に残るキューシートの綴り。はがきの主は誰か、なぜ警察ではなくラジオに書くのか、車を記録なしで直せたのは誰か。調べを進め、最後は生放送のマイクで呼びかける夜が来る。ただし、はがきの主を見つけることと、事件を終わらせることは同じではない。三年間止まったままの時間を、電波がもう一度動かせるかどうか。それがこの物語の問いだ。電話が鳴ったとき、最初に言葉を渡すのはあなたになる。消印は月曜、放送は金曜。その一週間の間に、あなたはどこまで辿り着けるだろう。

登場キャスト

章立て

  1. 第1章第一章 三通目のはがき
  2. 第2章第二章 曲目は嘘をつかない
  3. 第3章第三章 放送は届く
ラジオネーム:目撃者 | fiabai