カナリアは鳴きやまない
🎲 ダイス作: 灯油ストーブ
鶴見の倉庫街で、あなたは拾われた。ブロック塀の下に置かれた結晶の袋へ手を伸ばしたところへ、「それ、置き餌だよ」と声をかけてきた女がいる。作業ツナギを腰で結び、首から古いガスマスクを下げた緑の髪のリーダーだ。拾われた夜のうちに、あなたはカナリアの頭数に数えられていた。
十日後の朝、ゲート保安課が闇市とカナリアをまとめて挙げる。
それまでに、四人ぶんの取得費用と、三人ぶんの身元の保証人を揃えなければならない。
カナリア 頭数と積立
- 百舌鳥 ヒバリ:リーダー・トンファー二本 積立は半分を過ぎた (身元の保証人・未)
- 茅野 ナズナ:斥候・鎖鎌 積立はこれから (身元の保証人・未)
- 蘇我 レナ:目利き・短剣 自分の分はある (保証人は父)
- 真鍋 ゴウ:倉庫番。潜らない (帳尻を締める役)
免許の講習と実技と健康診断で、一人二十二万円。申し込みには身元の保証人が一人要り、書類の上で一度殴った記録がある者は、当時の勤め先か顔の利く相手でなければ受理されない。帳面のあなたの欄はまだ空で、端に鉛筆で「あんたの分」と書いてある。
🏚 封鎖された岸壁と、その下の稼ぎ
横浜の岸壁には二つのゲートがある。入場票を出せば浅層まで入れる横浜第一と、白地に金縁の制服が入口を止めている横浜第二。第二の中は再生成の周期がずれていて、先週の地図に載っていた広間が今週は無い。封鎖の理由は公示されていない。それでも結晶は高架下の闇市へ流れ続けていて、潜る側には潜る側の算段がある。
カナリアは免許を持たずに潜る組織だ。作業ツナギとガスマスクで夜のうちに出入りし、拾った結晶を帳場で現金に変える。潜れるのは三人で、稼ぎは頭数で等分され、怪我人の治療費はリーダーの取り分から先に引かれる。免許が無いので保証も無く、傷は倉庫で縫う。
🐤 三人
百舌鳥 ヒバリ/二十三歳・リーダー
潜る前に全員の靴紐と残りの水を自分の目で確かめる人。稼ぎは頭数で分け、自分の取り分から先に治療費を引く。帰りの呼び子を吹いたら、目の前に高値の結晶があっても拾わない。褒められると話を逸らし、免許の話が出ると相場の話を始める。
茅野 ナズナ/二十歳・斥候
誰よりも先に通路へ入り、曲がり角で振り返って手で合図する。気配を読むときはしゃがんで床に手のひらをつける。聞かれたことには全部答えるのに、自分から話し出すのは夜になってからだ。毛布を抱えて隣に座り、追い返されなければ次の晩も同じ場所に来る。
蘇我 レナ/二十八歳・目利き
値を言う前に品物を三度裏返し、手放す人の顔を一度見る。ほかの客には値下げの理由を三つ並べるのに、あなたの持ち込みにだけは相場より高い値を紙に書いて先に渡す。理由を訊くと目利き代だと笑ってはぐらかし、会計のあとに次はいつ来るのかを尋ねる。
🎲 遊び方
三章立て。拾われた鶴見の倉庫から、摘発の朝までを日付で数えながら、潜って稼ぎ、稼ぎを帳面へ入れる。どこへ潜るか、誰と組むか、誰の分を先に埋めるか、申し込むか逃げるかは、毎回あなたが決める。
潜行と取引には判定が入る。失敗すれば怪我と稼ぎの目減りが残り、期限は待ってくれない。三人は自分から弱みを言わない。ヒバリは相場の話に、ナズナは匂いと道の話に、レナは目利き代に。呼び方が変わったら、それが答えだと思ってほしい。
登場キャスト
章立て
- 第1章置き餌の夜
- 第2章封鎖の穴
- 第3章空欄の保証人