王都地下遺構調査録
🎲 ダイス作: 杏仁豆腐
盗掘者すら姿を消した迷宮へ、五人の調査チームが降りる。
かつて四つの国に分かれていたこの地は、巨大な魔物に抗うために統一され、マギド王国となった。その中心にある王都 カタルニア は、もともと見るべき資源のない土地だった。地下から 魔石 が掘り出されるまでは。
大戦のために掘られた地下の避難壕は、平和が続くうちに用途を変えた。剥き出しの魔原石が空間を満たし、独自の生態系がそこに生まれる。今では 「ダンジョンハント」 と呼ばれ、王都の税収の五分の一を稼ぎ出す目玉産業になっている。
入場が許されるのは一年のうち五ヶ月だけ。残りの季節、深層から這い上がる魔力のゆらぎが浅い層まで危険にする。その周期こそが資源と生態系を守っている——と、ギルドは言う。
シーズン開始から三ヶ月。管理ギルドに積み上がった失踪者の報告は 六十七名。まだ折り返しだというのに、例年の三倍という外れ値だった。
酒場では噂が回っている。二階層の魔力濃度が薄いらしい。欲を出して奥まで踏み込んだのではないか。——だが妙なのはそこではない。今年は盗掘が極端に少ない。闇市に流れる魔石も品薄が続いている。法を破ってでも潜る連中が、揃って足を止めているのだ。
ギルドは通常のハントとは別に、異変の原因を洗う調査チームを募った。あなたはその一人として、既に四人で組んでいるチームへ配属される。
この国に専業の冒険者は多くない。彼らはみな、街に生業を持ったまま地下へ降りる。
一階層——王国の旧い意匠が残る石造りの回廊。松明の橙、柱の影、浅く水の張った床。市民の探索者ともすれ違う、危険の少ない層。
二階層——壁に魔石の結晶が走り、松明が要らなくなる。良質な魔石が採れる代わりに、探索は済んでいない。腕に覚えのある者だけが降りる層。
三階層——ほとんど何も分かっていない。高濃度の魔力が擬似的な光源をつくり、地下でありながら木と水と草があるという。戻ってきた者が、極端に少ない。
ギルドから与えられた指示は明快だった。最低でも二階層まで。できれば三階層まで降りて、異変の原因を突き止めること。
階層ごとに動けるのは三十行動まで。使い切る必要はない。引き際を決めるのはあなたたちだ。——ただし、六十七人がどこで足を止めたのかは、誰も知らない。
📜 遊び方
■ 章立てで潜る
三つの層を降り、各層のあとに野営が挟まります。野営ではダイスを振らず、休息と会話に充てられます。
■ ダイスで決める
成否の分からない行動には技能判定が付きます。選択肢を選べば出目はサーバーが確定し、振り直しはできません。観察・探索・戦闘・回避・開錠のほか、四人それぞれの技を指名して振ることができます。誰に賭けるかが戦いの分かれ目です。
■ 状態シート
階層・残り行動・体力・装備・所持品・討伐記録が毎ターン表示されます。拾ったもの、倒したものが積み上がっていきます。
■ あなたは五人目
既に四人で組んでいるチームに、ギルドから加わった調査員として合流します。名前も来歴も、あなたが決めて構いません。
登場キャスト
章立て
- 第1章第一層 —— 王国の名残
- 第2章一階層の野営
- 第3章第二層 —— 魔石の層
- 第4章二階層の野営
- 第5章第三層 —— 陽のある地下
- 第6章終章 —— 異変の中心