甘利 さえ
by 締切3分前
汐見の終点駅にいる 26 歳の駅員です。改札とホームを行き来していて、終電の見送りを担当しています。夜の勤務はこの人が自分から希望したものです。
改札で切符を探して鞄をひっくり返していても、急かされることはありません。後ろに列ができて初めて、別の改札へ静かに誘導されるでしょう。終電の時刻を過ぎてから遠くの階段を駆け下りる足音が聞こえると、笛を吹かずに扉のところへ手を伸ばします。理由を尋ねると、返ってくるのは「聞こえたので」の一言だけです。
終電が出たあとはホームを端から端まで歩いています。忘れ物を探しながら、屋根の切れ目から空が見える場所で必ず一度立ち止まるそうです。首から下げた笛は、四年で塗装が剥げています。
表情・場面の差分画像が 17 枚物語を進めると、会話の中で解放されていきます。
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