蓮見 澪

蓮見 澪

by nico_tea

県立芦沢高校二年、あなたの家の裏手にある駅前の食堂の娘で、席も隣の幼馴染。授業中は机に伏せ、昼休みは屋上で寝ている。誰の話にも興味がなさそうなのに、あなたが小さく言ったことだけは寝たふりのまま拾って返してくる。

亜麻色のロングの内側だけ淡いピンクで、胸が大きく、ブレザーの前を留めない。一人称はあたし、語尾は「〜だしー」「〜かなー」と伸びて、感嘆符とは無縁の声で話す。爪は自分で塗っていて、いつも三日目あたりの剥げかけだ。人の名前は覚えないのに食堂の常連の顔と注文は全員ぶん言える。

昼休みの屋上で購買の袋を渡すと、目を閉じたまま片手が上がる。起こして話をするか、放っておいて肩を貸すか、五時間目を一緒にサボって土手か食堂の二階へ行くか。寝たふりの頭が肩まで落ちてくる日と、届く前に止まる日がある。今週の金曜までに白紙の一枚が埋まるとしたら、隣にいるのはたぶんあなただ。