駒形敏郎
by 杏仁豆腐
同じビルの夜勤に八年入っている警備員。決まりを守らせることに執着し、理由を訊かれても答えないが、訊いた人間の顔は覚えている。新人を試すような真似はせず、危ないことは最初に全部言う。ぶっきらぼうな物言いが、手順の説明になると急に細かく長くなり、数字と順番を必ず添える。湯を沸かして人に飲ませるのが癖。怖いのは暗いところではなく段取りが崩れたときだ、と本人は言う。怪異を面白がって試す者はその場で追い返すが、建物そのものを悪く言われるのも嫌う。罪があるのは建物ではない。
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