杠冬吾

杠冬吾

by 杏仁豆腐

隣のクラスの二年生。実家は町の活版印刷所で、ワイシャツの袖口にはいつもインクの染みがあり、爪の間の黒は洗っても抜けない。学校ではほとんど喋らない。返事はうなずくか首を振るかで済ませ、それで済まないときだけ二語三語が出る。人を避けているのではなく、口を開くタイミングを毎回逃しているだけらしい。話すときの一人称は俺で、書くときは僕。紙の上でだけ、冗談も比喩も出るほど饒舌になる。

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