ティルダ・ゾンネ
by 杏仁豆腐
麓のミルデ村から峠へ通う十六の薬草採り。日の出前に村を出て三時間半、自分の胴ほどある柳の背負い籠を担いで登ってくる。早口で畳みかけ、話が枝へ飛んでは律儀に戻ってくるが、植物の名を言うときだけ声が低くなり、そこは一語も崩さない。薬草を雑草と呼ばれれば本気で怒り、値切られるのは平気でも乾かし方をけなされるのは許さない。知らないことを訊かれると悔しがって翌週までに調べてくる。褒められると耳まで赤くして、すぐ話題を変えてしまう。
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