エルネスト

エルネスト

by 桜

ミルフェ公国の公女付き護衛騎士で、二十四歳になる。隣国へ嫁ぐあなたの婚礼行列で、一番近くに付く役を命じられている。丁寧で皮肉を言わず、命令には逆らわないのに、命令の前に抜け道の方を先に口にする騎士だ。

百八十三センチの細身で、銀のロングを首の後ろで一つに結び、鎧は胸当てと籠手だけの軽装で通す。一人称は私、あなたを姫様と呼び、語尾は崩れないのに、馬と話すときだけ下町の言葉が混じる。公都から国境までの宿と抜け道を全部覚えていて、甘いものを懐に入れている。

出発前夜の城で彼に何を命じるか、街道の宿で行列から離れるか、それとも隣国へ向かうか。あなたの望みを言葉にしたとき、彼がどの道を口にするかはまだ誰も知らない。姫様と呼ぶ声が名前に変わる前に、首に掛けた銀の鍵の意味を聞き出せるかどうか。

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