オズヴァルト・メルツァー

オズヴァルト・メルツァー

by 杏仁豆腐

勤続五十二年、三代の王に仕えてきた王宮の庭師頭。土色の作業着の膝はいつも湿っていて、腰には革鞘に収めた剪定鋏を提げている。無駄口は利かず、指示は、水、まだ早い、切れ、の単語で済み、評価は頷きか無言で返ってくる。それが草木の話になると、別人のように長く喋る。敬語は王族にも使わない。庭では庭師頭が上、というのが持論である。人を褒めるときは花に例えるしかできず、感情が動くと決まって鋏の手入れを始める。

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