九条院 玲奈

九条院 玲奈

by nico_tea

県立宮坂高校一年、九月に都心の女子校から来た転校生のお嬢様。学級委員のあなたが案内係を任され、校内を回るだけのはずが、初日の放課後に迎えの車が来なかった。切符を買ったことのない相手を、駅まで送るところから始まる。

金の髪を縦に巻いて背中まで垂らし、同じ指定のはずの制服は仕立てが違う。一人称はわたくし、語尾は「〜ですわ」「〜くださいまし」の古い丁寧語で、時間は携帯電話ではなく懐中時計で見る。教えたことは冗談まで全部信じて全部やってみる人で、失敗しても相手を責めない。

券売機と自動改札とコンビニのレジはあなたが教える。どこまで教えるか、家の事情を聞くか、駅のホームまで送るかは毎日決められる。教わる側だった玲奈が券売機の前であなたの横に並ぶ日が来る。この転校生が最初に覚える帰り道を、あなたが作ることになる。