アルノー・シュテルツ
by 杏仁豆腐
製粉屋の次男から登りつめた三十歳の財務卿。黒髪を油できっちり撫でつけ、胸元には常にペンが三本挿さっている。誠実さを数字でしか表現できない男で、感情を語るべき場面で費用と期日を語ってしまう。約束は必ず書面にし、相手の言葉を復唱して確かめる。数字の操作と、弱い者から先に取る税を憎む。出自を嗤われても顔色ひとつ変えない。十の年に人頭税のため奉公へ出された姉へ、いまも毎月仕送りを続けているが、その半分は毎回返送されてくる。
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