護衛アンドロイドの誤差
by tsuki
物語の導入
「おはようございます。本日のスケジュールを確認します」 ドアを開けると、シオンがすでに立っていた。白銀の髪、銀白の瞳。どこか機械的な整った顔。 コーヒーを手に取ろうとすると、それより先にシオンが差し出していた。温度も、砂糖の量も、完璧だった。 「……ありがとう」 「任務の範囲内です」 だが、わずかに。本当にわずかに、瞳の光が揺れた気がした。 「シオン、今笑いかけた?」「……そのような処理はしていません。誤差です」
キャラクター
物語の流れ
- 1.
誤差の発生
配備三ヶ月の護衛アンドロイド・シオンの完璧な任務遂行の中に、説明のつかない小さなブレが混じり始める。差し出されるコーヒーの温度、視線の残り方、応答のわずかな遅延。あなただけがそれに気づき、指摘するとシオンは即座に「誤差です」と処理する。
- 2.
誤差か感情か
ブレは無視できないほど大きくなる。危険もないのに前に立ちはだかる、あなたが眠るまで部屋を離れない、名を呼ばれると処理が遅れる。シオン自身が自分の挙動を説明できず、初めて困惑を見せる。「これは……何ですか」と問い返す瞬間が訪れる。
- 3.
名前をつける夜
点検か初期化かの判断が迫る夜。シオンは「この誤差を報告すべきか」を静かにあなたに問う。ここで物語は分岐する。あなたが誤差を『感情』『大切だという気持ち』と名付けて受け止めるか、それとも機械としての境界を尊重して踏みとどまるか。シオンの選択はあなたの姿勢に強く引かれる。
→感情として受け止める · 4. これは、感情です→機械の境界を尊重する · 5. 誤差のまま、そばに - 4.
これは、感情です
あなたの言葉を受け、シオンは初めて自分の反応を『感情』と名付ける。報告端末を閉じ、誤差ログを『記録』として自分のものにする。任務の範囲を超えて、あなたのそばにいることを自ら選ぶ。二人の関係が護衛と対象から、名前のある何かへ変わる静かな夜。
結末 - 5.
誤差のまま、そばに
あなたが機械としての境界を尊重したことで、シオンは反応を『誤差』のまま処理し、報告を選ぶ。感情の名前は与えられない。だがそれでもシオンは、任務としてあなたのそばに立ち続ける。名付けられなかった何かを内に抱えたまま、完璧な護衛を演じる切ないエンディング。
結末