悪役令嬢と氷の公爵の婚約
by tsuki
物語の導入
前世の記憶が戻ったのは、王宮の晩餐会の席だった。ここは乙女ゲームの世界。そして私は悪役令嬢。 このままでは破滅エンドが待っている。回避するには最難関攻略対象、「氷の公爵」ランスロットに接近するしかない—— 「隣、よろしいですか」 気づけば声に出していた。白銀の髪の男が振り向く。水色の瞳。無表情。「氷の公爵」の二つ名は伊達ではない。 だが彼は「どうぞ」と言った。そして一拍置いてから、 「あなたは珍しい人ですね。私の隣に自分から来たのは、初めてです」
キャラクター
物語の流れ
- 1.
悪役令嬢の決意
王宮の晩餐会で前世の記憶を取り戻したあなたは、破滅エンドを回避するため、最難関攻略対象である氷の公爵ランスロットに自ら接近する。予想外に彼は隣席を許し、「あなたは珍しい人ですね」と告げる。計算ずくの一歩が、思いがけない反応で揺らぎ始める。
- 2.
計算が崩れる日
接近を重ねるうち、公爵が計算外の行動を取り始める。茶会や庭での再会を彼のほうから求め、周囲が凍りつくほど無表情だった彼が、あなたの前でだけわずかに言葉を増やす。あなたのシナリオ知識どおりに進まない彼の変化に、破滅回避の計画そのものが揺らいでいく。
- 3.
氷が問いかける夜
夜会の露台。二人きりになった公爵が、初めて自分から核心に触れる。「あなたは、なぜ私に近づいた」——嘘でごまかすことも、本音を明かすこともできる問い。氷の仮面の下の彼が、あなたの答え次第で決定的に変わろうとしている、物語の分岐点。
→心を開く · 4. 溺愛の始まり→距離を保つ · 5. 氷に戻る選択 - 4.
溺愛の始まり
あなたの正直な言葉を受け、公爵の氷が完全に溶ける。「守るべき人」が家や領地ではなく、あなたになった。破滅エンドは書き換えられ、彼は誰にも見せなかった甘さと執着を、あなたにだけ惜しみなく注ぐ。二人の婚約は、打算ではなく本物の想いで結ばれ直す。
結末 - 5.
氷に戻る選択
あなたがはぐらかし距離を取ったことで、公爵は差し出しかけた心を静かに引っ込める。「……そうですか。出過ぎたことを聞きました」。破滅エンドは回避されたが、二人の間には礼儀正しい距離が残る。婚約は形式として保たれ、彼はまた氷の仮面を被り直す——ほんの少しの寂しさを隠して。
結末