深夜のバー、聞けない話を聞く夜
by tsuki
#バー#ロマンス#日常#癒し
物語の導入
雨が強くなってきた深夜、軒先で雨宿りをしていると、古びたビルの地下へ続く階段が目に入った。 小さな看板に「Noir」とだけある。吸い込まれるように降りると、間接照明の低い光の中に、静かなバーカウンターがあった。 「いらっしゃい」 カウンターの内側で、黒のベストにシェイカーを持った男が微笑んだ。穏やかな目。急かさない沈黙。 「何にしますか。——それとも、まず少し座りますか」 なぜだか、後者を選んでいた。
キャラクター
物語の流れ
- 1.
雨の夜のバー
雨の深夜、地下のバー「Noir」に迷い込む。バーテンダーは急かさず、間接照明の低い光の中で一杯を差し出す。話すつもりのなかったことを、気づけば少しだけ口にしている。
- 2.
常連になる頃
いつからか毎週この席に通うようになる。バーテンダーは名前を覚え、いつもの一杯をそっと出すようになる。世間話の合間に、彼の素顔がわずかに覗く。
- 3.
閉店後の話
看板の灯が落ち、客は自分ひとり。「ここでの話は、外に出ない」と前置きして、バーテンダーが初めて自分の話を語り始める。彼が言葉を切り、こちらの反応をうかがう——距離の詰め方が問われる分岐点。
→心を開く · 4. 灯を落とした夜に→距離を保つ · 5. また、この席で - 4.
灯を落とした夜に
客が真正面から心を寄せたことで、バーテンダーの表情がほどける。カウンター越しの距離が消え、初めて彼が飾らない笑みを見せる。二人だけの、名前のつかない特別な夜になる。
結末 - 5.
また、この席で
客が踏み込まず、彼の話をそっと受け流したことで、張り詰めていた空気がやわらぐ。バーテンダーは救われたように微笑み、二人はこの心地よい距離のまま、いつもの夜へ戻っていく。
結末